逢う魔が時

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曇りの日。
空いちめんに雲がひろがり、わずかな隙間もない。
だが、雨は降っていない。
こんな日の、夕暮れ時に見る街のあかりが好きだ。
どんよりと、しかし、やわらかく沈みつつある鈍色の空。
そこには、太陽がいろどるものは何もない。
その、妥協した色彩すらない空を背景に、
人の手による様々な光がぼんやりと主張しはじめる。
ビルの窓。東京タワー。ビルボード。
なぜか、身につまされる。

コンコルドベイビー

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大親友のKくんのところに赤ちゃんが誕生した。
おめでとう!
Kくんはテキサスの生まれで、日本とアメリカのハーフ。
見た目は相当かっこいいが、ハートがそれ以上に、彼に接したすべての人が気持ちよくなると言っても過言ではないほどイケている。
彼と私とでは、コンコルドと、エンジンがぷすぷすいうおんぼろセスナぐらいの差がある。
別の言い方をするなら、サラブレッドと、顔にマジックで悪戯描きをされた駄犬ぐらいの差がある。
私が女だったら、まず間違いなく彼を落とそうと努力したであろうと思う。
別に男でもいいよ、と彼が言えば、いつでも落とす準備ができていたのだが、赤ちゃんが産まれたとあっては永遠にこの気持ちを封印せざるをえないだろう。
などという冗談はさておいて、とにかく、自分のことのように嬉しい!おめでとう!

最近ガクゼンとしている12のことがら

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非常食としての冷凍ホットケーキとワッフルが深夜の常食になってしまっていること。

ちょっと気を許すと、キュッとひき締まったヒップでなくなってしまうこと。

気がつくと独り言。

過去の言動を思い返して死にたくなること。

楽な方へ楽な方へと流されてしまいそうになる自分がいること。

気がつくとPCの前。

ipodのライブラリに偏りが生じつつあること。

最近スターバックスに行ってないこと。

気がつくと朝。

女の子が言ったことは全面的に賛成してしまうこと。

展示されていたMacBook Proの画面にコキタナイおっさんが映っているなぁと思ったら実は自分だったこと。

ずっと血液型がAだと思っていた父親が実はB型だったこと。

私の胸元の大量殺戮兵器

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反社会的かつ自虐的行為。
小規模テロ。

チェロを久しぶりに聴衆の前で演奏しました。
それも、今回は初のソロです。
バッハの「無伴奏2番プレリュード」。
「ロミオとジュリエット」、「白鳥」が候補にあったのですが、
「バッハ弾けたらカッコいーわね」と言われ、
「カッコいくなりたいのでバッハ弾きます」と即決です。
よせば良かった。
練習不足から大惨事になるのはわかっていました。
「閑静な住宅街、白昼の惨劇」
新聞の見出しが頭をよぎります。

そして本番。

・・・瞬殺でした。
あまり苦しませることなく葬ったのが不幸中の幸いです。
近所の桜がすべて散っていました。

モンブランと桜を見た双子の女の子とダチョウ

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今日は5月に行う個展の打ち合わせで銀座の「ギャラリーツープラス」へ。
「鎌倉五郎」銀座三越店限定の和風モンブラン「小波」を持っていく(大好きなんです、これ)。
オーナーと「第二次スランプ・産みの苦しみ・追い込まれてなんぼ」を語り、刷り上がったDMをいただいた。
その後、銀座をぶらぶらと。
Apple Storeの前で、別れた妻が双子の娘たちを連れて歩いているのに遭遇。
娘たちはもう5歳。最後に会った去年の夏よりはるかに大人びて見える。
父親に対する表情に見え隠れする愛情が女のそれになってきている。
娘たちの頭をぐしゃぐしゃに撫で、時間があるというので、4人で近くのcafeに入った。
「今日ね、ママと桜を見て来たのー」なんて二人声を揃えて言うのを聞くと
「やり直してみるか」などという言葉が喉元まで出かかった。あわてて飲み込む。
彼女たちと別れた後、渋谷西武の「福井江太郎日本画展」へ。
ずっと生で観たかったダチョウの画を初めて拝む。うん、いい。
その後、「世界堂」横浜ルミネ店で画材を大量に購入。
重たい紙を持ちながら、地下の「成城石井」で食材を。
家に戻り、娘たちのことを考えながら、料理を作った。
タマネギが眼にしみた。

四月一日。

結婚なんて一度もしたことありませんから。
子供なんていませんから。