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このところ、引っ越しの準備で忙しいです。
仕事を終えてからとりかかっているので、一日がすぐに終わってしまいます。
過去の作品ファイルを荷造りするときに、もう一度すべての作品を取り出して眺めてみました。
自分の歩いてきた道が見えます。
発表することもなかった、見るのもいやになる拙い作品は、少し迷いましたが破棄することにしました。
手元に残ったものは全体の3分の1ぐらいです。
紙の重さだけで40キロほどが消えました(こうやって書くと食料のようです)。
これから先、どんな道が広がっているのか。
不安でもありますが、わくわくする気持ちの方が強いようです。ほんのちょっとだけ。

きっかけ。

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昨日、代々木上原のHAKUJU HALLという場所で、友人のチェロのコンサートがありました。
ここ最近(事件があってから)、絵を描く意欲がわかずにいたのですが、この演奏会がいい刺激になったようで、しだいに頭の中が創作モードに変わりつつあります。
来月3日に引っ越し予定なので、新しい場所に落ち着くまでは、頭の中にいっぱい描きたいことを溜め込んでおこうと思っています。
こんなことをしていると、「あれ、なんだっけ?」などと忘れてしまうこともあります。
でも、メモをとったり、ラフを描いたりはしません。
そういうものは後になって、なにかをきっかけにして、また違った良いかたちになって現れることがあるので面白いのです。

新しい部屋

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今、引っ越しをしようと思って、いろいろな物件を見て回っています。
どうかなと思う物件がふたつあります。
ひとつは3DKのマンションで、1991年築と年数はだいぶ経つのですが、日当りがこれでもかというぐらい良いことと、絵、音楽、寝室と、それぞれの目的に応じた部屋の使い分けができるということに魅力を感じています。ただ、セキュリティがいまいちで、周りに鳩が多いということで二の足を踏んでいます。
もうひとつは、比較的新しい2Kのマンションで、二部屋ともとても広いうえに、セキュリティがしっかりしています。ただキッチンが狭いことが難です。
どちらも一長一短でなかなかこれと決めきれないのが現状です。
もう少し見て回ろうと思いますが、新年は新しい部屋で迎えたいなぁと思っています。

隅っこの男。

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部屋の隅っこが好きな男がいました。
学生のころの話です。
彼は部屋(自分のであれ、友人のであれ)に入ると、すぐに隅っこに身を落ち着けました。
部屋の適当な場所に腰を落とすと、壁と壁(あるいは壁と本棚など)がつくるコーナーにエビのように後退しながらすっぽりと収まってしまうのです。
こう書くと、人付き合いの苦手な青白いブンガク青年のような男を想像してしまうかもしれませんが、ラグビー部の彼は180cmオーバーの真っ黒に日焼けした大男でした。ブンガク青年に違いはありませんでしたが。
彼曰く、隅っこは落ち着くのだそうです。270°は守られているわけだから、自分が集中するのは90°だけでいいと。ラグビーで360°戦っている反動かもしれません。
彼は隅っこに行っても、話の輪から外れるというわけではなく、遠い距離から大砲をうってくるように大きな声で話しました。
そんな大きな声で話さなくてもじゅうぶん聞こえるから、と言っても、彼はまったく意に介しません。
深夜になるといつも苦情がくるのではないかとひやひやしていました。

そんな彼からつい最近連絡がありました。
私が悲嘆にくれているという話を人づてに聞いて電話をくれたのです。
彼と話すのは実に5年ぶりでした。
お礼を言い、お互いの近況を報告しあい、その後、隅っこの話をしました。
もう彼は8歳になる男の子の父です。さすがに今は隅っこに行かないだろう、と聞くと
「行くよ」と一言。
彼が休みの日に隅っこで新聞なんか読んでいると、子供も真似をして、彼とは別の隅っこにすっぽりと収まって本を読んだりしているそうです。
あたたかな家庭が目に浮かび、思わずじんときてしまいました。

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土のにおいのする器が好きです。

姿はやさしい線でかこまれて。
表面には不均一で細かなでこぼこがあって。
まるで邪魔をしない色で。

でこぼこが手と触れたときにできるほんのわずかな空気の「たまり」。
それが暖かさとか柔らかさを生むのだろうな、と思います。

写真は、陶芸家・酒井泉さんの作品。
この心地よさが気に入って、同じ風情のティーポットをつくってもらいました。
酒井泉さんの個展が近々開催されます。

「酒井 泉 陶展」
11月7日(月)~12日(土)
10時~18時(最終日16時)
「ギャラリー・ぬ利彦」
中央区京橋2-12-2 第2ぬ利彦ビル1F

よろしかったら足をはこんでみてください。