今朝、テニスコートでボールを集めていると、隣のコートから
「あらやだ、これ猫のフンかしら・・・、木っ端かしら・・・」
という声が聞こえてきた。
隣のコートでテニスをやっていたご婦人もちょうどボールを拾っていたようで、コートの隅でそれを発見したらしい。
ちょくちょく顔をあわせる方だったので、そこまで行って(2メートルほどですが)問題の物体を見た。
砂に半ば埋もれたその茶色の物体、よく見ると杉か松の樹皮の一部のようだ。
「木っ端ですね」と私は言った。
言ってから気がついたのだが(ご婦人の言葉を聞いたときにはすでに耳慣れなさに脳がむずむずしていたのですが)、私はこの「木っ端」という言葉を使ったのは生まれて初めてのような気がする。
「木っ端微塵」とか「木っ端・・・の分際で」などといったように「木っ端」が頭について形容詞的働きを担う言葉は何度も用いてきたが、純粋に木っ端を「木っ端」として表現したのは初めてだ。
知ってはいるが、それを実際に口に出して使ったことがないという言葉は結構たくさんある気がする(すぐには思いつきませんが・・・)。
専門的なものやカタカナ表記する用語の中には、それこそ気が遠くなるほどあるだろうが、昔から日本の日常の言葉として使われてきたものの中にそういう言葉を見つけるのは、思いのほか楽しい。
木っ端。下世話な言葉のように思うけれど、「文学的な」響きもあるような。
話は飛びますが、先月三越で開催された書家・石川九楊展を観ておけば良かったと後悔してます。
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ツープラスさま
こんにちは。
「木っ端」に文学的響き・・・。
言われてみれば、なるほど!と思いました。
石川九楊さんは、現代の若者文化大嫌いなんですよね、たしか・・・。
たぶん、私の書を見たら、烈火のごとく怒りそうです(笑)。
そういう人と対談すると面白いんですよね。
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